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チャペック【CZAPEK】 ANTARCTIQUE PASSAGE DE DRAKE ICE WHITE [ICE WHITE 12 RED TIP HAND]

お探しのお客様が多いと思います。

チャペック【CZAPEK】から、[ANTARCTIQUE PASSAGE DE DRAKE ICE WHITE(アンタークティック・パサージュ・ドゥ・ドレーク・アイス・ホワイト)]が入荷致しました。

昨年の5月にご客注分が入荷して以来となり、[ANTARCTIQUE PASSAGE DE DRAKE]が店頭に並ぶのは今回が初めてとなります。

[ANTARCTIQUE PASSAGE DE DRAKE]のご注文(ご予約)を承る場合、デポジットが発生します(納期は未定)。

ダイヤルカラー(4色)、インデックス12時の種類(2種類)、秒針の種類(3種類)、付属のストラップの素材とカラーを選択する事ができ、お客様のご希望の仕様をご用意できるからです。

このデポジットは、お客様ご都合(納期の遅延を含む)でのキャンセルの場合はご返金する事ができません。

その為、当店は多くのお客様からご予約などのお問い合わせを頂戴しているのですが、お客様にご迷惑をお掛けするといけないので、2022年の2月中旬頃からご予約を承らない事にしています。

その分、当店の店頭分としてオーダーしています。

【CZAPEK】も世界中のオーダー増による納期の遅延を少しでも解消すべく、2022年6月には、スイス:La Chaux-de-Fonds(ラ・ショー=ド=フォン)に新しいAtelier(アトリエ)をオープンし、それからも、ウォッチメーカー(時計職人)の雇用、カルティエ スーパーコピー工作機器の導入など、積極的に設備投資を行っています。

ただ、【CZAPEK】は、どの組織にも属さない、独立時計メーカーです。

資金力には限りがあります。

少しずつですがその効果も出始めており、全てご客注分なのですが、昨年は数本[ANTARCTIQUE PASSAGE DE DRAKE]も入荷しています。

今回の入荷分は、当店が店頭分としてオーダーしていた商品です。

“ANTARCTIQUE“とは“南極大陸”、”PASSAGE DE DRAKE“とは“ドレーク海峡”の事です。

※PASSAGE DE DRAKE・・・南アメリカ・ホーン岬とサウス・シェトランド諸島(南極半島の北側に連なる諸島)との間の海峡。南極海の一部でもあり、世界でも最も荒れる海域の一つ。ギネスブックで世界一幅の広い海峡として認定されており、最狭部でも約650キロメートルある。イギリスの探検家、Francis Drake(フランシス・ドレーク)卿にちなんで名付けられた。


搭載しているムーブメントは自社製(共同開発):Cal.SXH5(自動巻き)で193個の部品で構成されています(画像2枚目より現在はムーブメント全体の色はグレーになっています)。

ムーブ厚が4,2mmと薄いのでケース厚も10,6mmと薄くなっています。

ローターは、100%リサイクルのプラチナ製です。

プラチナは重い金属なので、ローターの回転巻き上げ効率が上がり、パワーリザーブは60時間です。

ケースバックはシースルーになっていますが、防水が120mありますので安心です。

ダイヤルには、“Stairway to Eternity=永遠への階段”と名付けられた特別なトラぺゾイド(台形)パターンがエングレーブされています。

また、人間工学に基づいたブラッシュ仕上げのブレスレットはフィット感も抜群で、バックルをスライドさせるだけで簡単にサイズの微調整を行う事ができます。

このブレスレットのコマは、【CZAPEK】の“C”の形でポリッシュされたリンクで接続され、ブレスレットはクイックチェンジ・システムを備えている為、ダイヤルと同じ台形のパターンで装飾されたラバーストラップに素早く簡単に取り換える事が可能となっています。

価格は、3,960,000円(税込)です。品番:ICE WHITE 12 RED TIP HAND・ケース:SS・ケースサイズ:40,5mm・ケース厚:10,6mm・ムーブメント:自動巻き Cal.SXH5・振動数:28,800回/時・部品数:193個・石数:28石・ムーブ厚:4,2mm・パワーリザーブ:60時間・防水:120m・ガラス:無反射コーティングサファイアガラス・ケースバック:シースルー・付属品:ラバーベルトとDバックル。

ご来店お待ち申し上げております。


※THE KIJINKAN NON-INTEREST RATE LOAN・・・https://kijinkan.co.jp/blog/38584/

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※HODINKEE WATCH CARE・・・https://kijinkan.co.jp/blog/25329/

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株式会社 貴人館
〒542-0073
大阪府大阪市中央区日本橋2-7-10 日本橋エクシーリスビル1/2F
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定休日:火曜日
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BRANDS : Czapek (チャペック)

ジャガー・ルクルトが 「マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブ」をリニューアル~

「マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブ」をリニューアル~洗練されたデザインとグラデーションブルーのダイヤルにアップデート

マスター・ウルトラスリム コレクションは、ジャガー・ルクルトが持つ時計製造の哲学を体現しながら、時代を超越した美しさと高度な職人技を融合させ、現代的な美しさを備えたドレスウォッチの真髄を表現しています。2023年、このコレクションに新たな解釈を加えたマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブが加わります。さりげなく現代的にアレンジされたケースとダイヤルのデザイン、新しいグラデーション ミッドナイトブルーのサンレイ仕上げダイヤル、および大幅に増加した パワーリザーブを備えています。

リニューアルされたジャガー・ルクルト製キャリバー938が70時間のパワーリザーブを提供
ジャガー・ルクルトは計時精度を追求するだけでなく、身に着ける人にとっての利便性を高めるため、常に進化する技術を取り入れて自社製キャリバーに改良を加えています。キャリバー938は、新世代のタイムピースを駆動するために大幅に改良されました。最も注目すべき点はパワーリザーブが70時間に増加したことです。これは、時計を週末にまったく身に着けない場合でも、月曜日に再度巻き上げたり、時刻をリセットしたりすることなく再び着用するのに十分な長さです。

このパワーリザーブの大幅な延長は、キャリバーを大型化することなく達成されており、厚さは以前と同じ4.9mmを保っています。

主ゼンマイの香箱のデザインを一新したほか、リシャール ミル スーパーコピー代引き主要部品の一部にはシリコンを採用し、可動部品の摩擦を低減することでエネルギー伝達をスムーズにし、さらに細かな変更をいくつも加えることでさらに信頼性の高いものとなりました。

パワーリザーブ機能は、1948年に開発されたキャリバー481によって、ジャガー・ルクルトがどこよりも早く取り入れた、ジャガー・ルクルトを代表するコンプリケーションです。特徴的なレッドとホワイトの表示で知られるパワーマチックは、パワーリザーブゲージを備えた世界初の自動巻きタイムピースであり、1950年代初頭に瞬く間にジャガー・ルクルトの主要モデルとなりました。 マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブも同様に、パワーリザーブ表示に加え、日付表示とスモールセコンド表示が特徴的なデザインとなっており、この3つの複雑機構が、キャリバーの複雑さとジャガー・ルクルトの時計職人の技術力の高さを証明しています。

アップデートされた洗練されたデザインと美しいミッドナイトブルーのダイヤル
ケースのサイズは前モデルのマスター・ウルトラスリム・パワーリザーブと同じ直径39mm、厚さ8.95mmを保ちながら、リニューアルされたプロポーションとよりスリムで細長くなったラグによって装着感が向上しており、さりげなく現代的にアレンジされたデザインになっています。

同様にダイヤルのデザインも一新されています。以前のダイヤル レイアウトの対称性やバランスはそのままに、より大きなサブダイヤルがコンプリケーションを際立たせ、日付、パワーリザーブ、スモールセコンドなどの表示がより読み取りやすくなり、ダイヤル全体の見た目に一体感が生まれました。
新たに細長くなったアプライドアワーマーカーの形状や、ドーフィン針の各面に施された異なる仕上げ(ポリッシュ仕上げおよびサテン仕上げ)、そしてミニッツトラックに転写されたゴールドのドットによってさらに引き立てられています。ピンクゴールド製ケースの色と調和するこれらの要素は、サンレイ仕上げダイヤルのグラデーション ミッドナイトブルーとドラマティックなコントラストを描きながら、美的な調和を生み出しています。また、サブダイヤルの控えめでマットな質感が見た目に深みと豊かさを添えています。

さらに、ネイビーブルーのアリゲーターストラップが華やかな演出の仕上げとなっています。スト ラップとバックルは簡単に交換することができ、この洗練された現代的な時計にさらなる実用性をもたらしています。

【技術仕様】
マスター・ウルトラスリム・パワーリザーブ
リファレンス:Q137258J

ケース:18Kピンクゴールド
サイズ:直径39mm x 厚さ8.95mm
キャリバー:ジャガー・ルクルト製自動巻キャリバー938
機能:時、分、スモールセコンド、日付、パワーリザーブ表示
パワーリザーブ:70時間
ダイヤル:グラデーションブルーのサンレイ仕上げ
防水性:5気圧
ストラップ:ブルーのアリゲーターストラップ

【お問い合せ】
ジャガー・ルクルト コンタクトセンター
TEL:0120-79-1833
営業時間:平日の月曜から金曜 11:00~19:00

[ジャガー・ルクルト]~ウォッチメーカーの中のウォッチメーカー™
1833年以来、ジャガー・ルクルトは、革新性と創造性への抑えきれない渇望に導かれ、故郷ジュウ渓谷の平穏な自然環境からインスピレーションを得て、複雑機構への熟練した技術とその精度で際立った存在となっています。ウォッチメーカーの中のウォッチメーカー™ として知られるマニュファクチュールは、1,400を超えるキャリバーの制作と430以上の特許を通して、その絶え間ない革新の精神を表現してきました。ジャガー・ルクルトの時計職人たちは、190年にわたる蓄積された専門知識を駆使して、最先端の精密なメカニズムの設計、製造、仕上げ、装飾を行い、何世紀にもわたるノウハウと情熱を融合させ、過去と未来をつないでいます。時代を超え、常に時と共にあります。180種類もの専門技術がひとつ屋根の下に集結したマニュファクチュールは、その技巧に、デザインの美しさとを独特で控え目な洗練を組み合わせ、高級時計に息吹を吹き込んでいます。

複雑時計を実用時計に変えた「スカイドゥエラー」を解析する by L’Hiro

「地球を飛び回る人々のために設計された」とうたわれるオイスターパーペチュアル・スカイドゥエラーは、世界を旅する人あるいはビジネスマンにとって最高の実用腕時計です。2012年のデビュー当初は金無垢ケースにブレスレットの組み合わせだけでしたが、2014年に革ベルトモデル、2017年にコンビモデル(ロレックスではロレゾール・モデルという)が登場しました。このスカイドゥエラーは、複雑時計を実用時計に変えてしまったという実用時計の王者ロレックスの頭脳が最も見える化された逸品で、いまや定価ではデイトナ以上に手に入らないといわれています。

今回は、発売依頼高い人気になっているホワイトゴールドとステンレス・スティールタイプ(ホワイト・ロレゾールという)の実機をあらためて解析してみました。なぜなら、ちまたの書店に並ぶロレックスを取り上げるたくさんの雑誌やインターネット記事では、深掘りした情報がほとんどなく、厚いベールに包まれたままだからです。

一見すると、スカイドゥエラーのホワイト・ロレゾールはゴージャスで贅を尽くした装飾品というよりも、細部にまで気を配り、精密さを追求した芸術品です。しかも、触ってみると、耐久性と操作性を兼ね備えた逸品であることがよく分かります。スカイドゥエラーは世にいうアニュアル・カレンダー機構を搭載した複雑時計です。しかし、リューズを回したときに指で感じる歯車がかみ合う感覚がしっかりしていて、三針時計のデイト・ジャストなどと全く同じなのが、実用時計の王者であるロレックスらしいです。

アニュアル・カレンダー機構といえば最初に特許をとったのはパテック・フィリップの5035モデルに搭載されたキャリバー315 S QAですが、発表は1996年と意外と遅いです。同社のパーペチュアル・カレンダー(97975モデル)が1925年に作られてから70年も後です。パテック・フィリップの5035モデルもそうですが、一般的にアニュアル・カレンダーは、日付けと時刻を合わせる場合、パネライ スーパーコピーn級品優良通販店ケースサイドに「日、曜日、月」のプッシャーで、専用のコレクターピンという小道具で調整する必要があり、これが結構面倒です。ですので、ワインディング・マシンを買って、時計が止まらないようにしているコレクターの方々も多いようです。

しかし、スカイドゥエラーの場合、そのような小道具が必要なプッシャーはなく、ベゼルとリューズの操作だけに代替されます。ロレックスはこれをリングコマンドシステムと名付けています。具体的には、ベゼルを反時計回りに3クリック(9時位置)したあとにリューズでホームタイム、1クリック(10時位置)戻してローカルタイム、さらに1クリック(11時位置)戻して月と日付けを合わせ、元の位置(12時位置)に戻せば全ての設定は完了します。あとは年に1回、2月は28か29日までしかないため、月末に3月1日まで日送りする以外に調整は一切不要です。複雑機構でありながら、操作は実に簡単で機能的です。外観上も、ケースサイドのプッシャーがなくなったことで、ドレスウォッチのケースの美しさを損なうことがなくなりました。[*1]

スカイドゥエラーのアニュアル・カレンダー機構について
スカイドゥエラーのアニュアル・カレンダー機構は、サロスシステムと名付けられています。
古代ギリシャ時代に発見された『サロス』という天文現象は、18年と11日(あるいは10日)という周期(1サロス周期という)で太陽・地球・月が一直線に重なる現象のことで、いわゆる日食と月食のことです。日食は、太陽と地球の間に月が入った場合で地球から見て太陽が見えなくなる現象で、月食とは太陽と月の間に地球が入り月が見えなくなる現象で、この2つの天文学現象は一定周期で起こります。つまり、サロスシステムという名前には、天文学的に1サロス周期毎に同じ現象が正確に繰り返されるのと同じような仕組みが組み込まれているという意味が込められています。

具体的にその仕組みを解明しましょう。下図をご覧ください。

サロスシステムを有するCal.9002の中心には、太陽歯車と呼ばれる太陽に相当する大きな歯車が設置されています。その回りに遊星歯車と呼ばれる地球に相当する歯車を日付ディスクに連動させて、自転しながら太陽歯車の周りを31日で一周します。

一般的にアニュアル・カレンダーは、31日周期のカレンダー構造でありながら、毎年2月末日に手動で日付を調整する以外は、30日しかない小の月には自動的に翌月の1日に進む仕組みになっています。Cal.9002のこの仕組みには、遊星歯車上のディスクが持つ4つの爪が深く関わっています。これらの爪は、小の月である4月、6月、9月、11月の30日から日付が変わる際に、1日プラスして日送りする役割を果たし、一瞬にして30日から31日、31日から1日に変わります。ただし、この動きは一瞬なので、人間の目には31日に切り替わる様子は見えません。ちなみにパテック・フィリップの5035モデルは、30日の月は、時間が来ると、約4時間かけてゆっくりと30日→31日→1日へ変わりますから、自然の時の流れを正確に表現するという意味では、やはり、実用時計の王者であるロレックスらしい機構です。

ロレックス以外のアニュアル・カレンダーでは、通常、30日と31日を自動的に区別するために、数え切れないほどのレバー、カム、スプリングを備えた非常に入り組んだメカニズムが必要になっています。しかし、Cal.9002では主に歯車比を利用して判別する非常にシンプルな構造になっており、極めて独創的なキャリバーになっています。[*2]

キャリバー9002

2010年に登録されたスカイドゥエラーのムーブメントと思われる特許公告(特許第4624848号)によると、太陽歯車は123個、遊星歯車は36個の歯車を持っています。1か月は太陽歯車の歯の123個分ですから、12か月では1,476個分(123×12)になります。1,476という数字は36と123の最小公倍数になっていますから、衛星歯車は41回回転(1,476=36×41)しながら、太陽歯車を12周すると元の位置に戻ることになります。つまり、衛星歯車上のある1つの歯(定点)は12か月で全く同じ位置に戻るということです。このように、太陽歯車と遊星歯車との歯車比により、毎年、各月末に、遊星歯車上のディスクの4つの爪の固有の位置が決定されることで、Cal.9002は大の月(1月、3月、5月、7月、8月、10月、12月)と小の月(4月、6月、9月、11月)を判別しています。蛇足ですが、2月は放っておくと31日まで日付けが進む構造になっているので、手作業で3月1日に日送りする必要があります。[*3]

この独創的なCal.9002のサロスシステムの特徴は、数学的あるいは物理学的に、衛星歯車が太陽歯車を回るときに、衛星歯車上の定点(4つの爪の位置)が描くエピサイクロイド曲線が緻密で正確でブレないことです。エピサイクロイド曲線とは、1つの円Aが円Bの円周を回るときに、円Aの定点が描く曲線のことをいいます。具体的には、サロスシステムは、衛星歯車が太陽歯車を12周回る毎(=1年毎)に、衛星歯車上の定点(4つの爪の位置)は全く同じエピサイクロイド曲線を描くことになります。つまり、既述の日食、月食の1サロス周期と同じようなことが、Cal.9002の中で起きているということです。このように、サロスシステムは、数学と物理学を活用し天文学的な『1年』という周期を、太陽歯車と衛星歯車の絶妙な歯車比によって見える化しているのです。ちなみに、エピサイクロイド曲線については、以下のリンク先で、実際に触れてご理解いただけます。[*4]

2023年に刷新されたスカイドゥエラー
スカイドゥエラーが世に出たのは比較的新しく2012年です。11年目にあたる昨年のWatch & Wonders Geneve 2023において、キャリバーが従来のCal.9001からCal.9002にグレードアップされました。このキャリバーのベースムーブメントは、1988年の発表後40年近くを経た今なお、時計業界における最高のムーブメントとして評価されている3針時計のデイトジャストやサブマリーナなどの旧モデルに搭載されているCal.3135で、旧作Cal.9001や新作Cal.9002は複雑時計であるスカイドゥエラー用に進化させたものです。Cal.9002では、クロナジーエスケープメントが採用され、Cal.9001に比べ、脱進機の動作効率が更に向上しました。

より理解を深めるために、このグレードアップがいかに効果的なことかを説明しましょう。エスケープメントとは、日本語でいう脱進機です。この脱進機(ガンギ車とアンクル)が調速機(テンプ=ヒゲゼンマイ+テンワ)と共に歯車を同じスピードで回転させることで、腕時計が正しく時を刻むことになります。この仕組みはご存じのとおり、振り子時計では、1581年にガリレオ・ガリレイが発見した振り子の等時性を利用して、一定速度で歯車が回転する仕組みと同じものです。振り子の仕組みを小さく持ち運びできるようにしたものが腕時計のテンプです。テンプを構成するヒゲゼンマイとテンワはそれぞれ、振り子と重りの役割と同じです。ヒゲゼンマイという等時性のあるバネの伸縮によって、テンプが振り子と同じように一定周期で回転振動します。自動車でいうとエンジン部分であり、この機能がいかに効率的に動くかが、機械式腕時計の生命線となります。

アップグレードしたCal.9002のエスケープメントは、従来に比べてガンギ車自体が肉抜きにされ、軽くなり、かつ、アンクル部分の爪石が細くなっています。また、アンクルの爪石とガンギ車の接地面積が少なくなるように、ガンギ車の歯車の先端部分が特殊な構造になっています。このように腕時計の中で最も動く回数の多いガンギ車とアンクルに細工をすることで、Cal.9001に比べ効率的にエネルギーを歯車に伝えることができるようになりました。

なお、このガンギ車とアンクルはLIGA加工という工法で作っています。LIGA加工とは、従来の工法では製造できなかった微細な部品や複雑な形状の部品を製造できる技術です。正式名称は各工程のドイツ語の頭文字をとってLIGA(Lithograph Galvanoformung und Abformung)と名付けられています。この加工は写真の現像に似ていて、ある樹脂の上に歯車の形が描かれたマスクを置いて、そこに光を当てます。その後、樹脂を薬品につけると光が当たった部分だけが溶けて、歯車の形に沿った型ができます。その型に歯車用の素材を流し込むと歯車の原型ができる仕組みです。[*5]

Cal.9001のガンギ車とアンクル(左)と、Cal.9002のガンギ車とアンクル(右)

このようにスカイドゥエラーの外見上は誰も分かりませんが、Cal.9001からCal.9002へのアップグレードには、ロレックスのムーブメント向上に対するあくなき挑戦の結果が表れているのです。

最後に見た目の変化ですが、旧作はダイヤルの6時位置に、”SWISS MADE”のみの表記となっていましたが、Watch & Wonders Geneve 2023での新作では”SWISS”と”MADE”の表記の間に王冠マーク(クラウンマーク)が2つ追加されています。


2023年新作


旧作


ロレックスのムーブメント開発に対する熱意
皆さんもご存知のとおり、ロレックスはデイデイトやデイトジャストなどのクラシック・モデル、デイトナ、サブマリーナ、GMTマスターIIなどのプロフェッショナル・モデルに分けられます。スカイドゥエラーはクラシック・モデルの仲間ですが、ロレックスの店員の方々に聞くとお客様の多くがプロフェッショナル・モデルと勘違いしているそうです。陸海空のプロユーザー向けに開発されたのがプロフェッショナル・モデルですが、スカイドゥエラーは名前にスカイが入りますし、GMT機能も搭載しているので無理もないでしょう。しかし、シンプルで上品なデザインで、おまけにフルーテッド・ベゼルですから、それだけに注目するとロレックスの王道であるクラシック・モデルの最たるものなのです。

さらに特筆すべきことは、オーデマ・ピゲ スーパーコピー既述したとおりアニュアル・カレンダーという複雑時計を限りなくシンプルな仕組みで実用時計に変えてしまったことです。もちろん、ロレックスお得意の一貫した精度第一主義は、スカイドゥエラーでも息づいています。そういう意味で、時計界の歴史に名を残す逸品と言えるでしょう。ただ、複雑時計には変わりないため、生産コストは他のモデルよりもかなりかかっています。よって、生産本数もかなり少なく定価ではカリスマ時計のデイトナ以上に手に入りません。また、ロレックスの伝統である秘密主義もあり、既述のサロス機構をはじめとしたロレックスの頭脳が満載されたムーブメントの素晴らしさを知らない方々も多いように思います。

最近の時計ブランドは、『復刻版』と称して値段だけ高くし、ムーブメントを変えずに、外観を多少現代風に洗練させて、昔のヒット商品をあらためて売る風潮があります。しかし、ロレックスはそういう風潮を嘲笑うように、スカイドゥエラーで、ムーブメントの仕組みをシンプル化し、アニュアル・カレンダーという複雑時計を実用時計に変えてしまったのです。スカイドゥエラーが搭載するCal.9002は、他のブランドが、過去、世に出してきた『名機』と言われる複雑時計のムーブメントをロレックス流に凌駕してしまったのかもしれません。